※2022年9月時点の情報となります。ご了承ください。
ヨコハマの街・再開発ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、新横浜駅の篠原口で再開発事業が始動するという情報を入手したので、現時点でわかっていることを整理したいと思います!
相鉄東急直通線の開業によって新横浜駅の利便性は格段に向上する見込みで、街の人気が更に高まりそうですよね。
新横浜駅周辺の今後に興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください!
新横浜駅篠原口とは?
新横浜駅と言えば、この景色を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?
地上19階建ての駅ビルと、多方面につながるペデストリアンデッキが印象的ですよね。
JR北口と言う名称で親しまれています(諸説あり)。
横浜アリーナや日産スタジアムに行かれる際に使う出口も、こちら側が一般的かと思います。
ただ、今回の記事で扱うのはこちら側の出口ではなく、その反対側の出口になります。
こちらが新横浜駅の篠原口です。
先ほどの写真とは打って変わって、地方ローカル線の出口と見間違うような見た目です。
JR北口と篠原口の位置関係は、このような形になっています。
新幹線から見える風景が右側と左側で全く違う…!とたまに話題になるのが新横浜駅ですよね。
駐車場やアパートが立ち並び、はたまた緑豊かな森が見えるなど大規模な開発が進んでいないのが篠原口です。
篠原口の駅前は車のロータリーと駐輪場が大部分を占めており、高い建物と言えば写真右手に映っている中層ビルぐらいです。
見るからにのどかな雰囲気が漂う篠原口ですが、再開発事業の動きがあるということで、一体どんな開発になるのか続きを見ていきましょう!
再開発事業の情報を整理
ここからは、新横浜駅篠原口の再開発事業について、現時点で明らかになっている情報を整理していきたいと思います。
この再開発事業、「新横浜駅南口駅前地区市街地再開発準備組合」という準備組合が結成されており、2022年7月1日に公式HPを開設しています。
公式HPに記載されている内容に基づくと、再開発事業の概要は次の通りになります。
事業名称と施行予定者は、まだ正式に都市計画決定しているわけではないため仮称となっています。
対象エリアは横浜市港北区篠原町で、そのうち約3.5haが今回の再開発事業の舞台となります。
同じ横浜市内の再開発事業で対象面積比較すると、次の通りになります。
・綱島駅東口 約0.9ha
・羽沢横浜国大駅 約1.6ha
・新綱島駅 約2.7ha
・川和町駅 約7.3ha
・ゆめが丘駅 約23.9ha
こう見ると、新横浜駅篠原口の再開発事業は大きくも小さくもなく、ある程度の規模感があるといった印象でしょうか…?
赤枠で囲った範囲が再開発事業の対象エリアです。
この地図を見ると、新幹線の線路を境に街の開発状況が180度異なっているのが分かりますよね。
こちらは、先ほどの地図を拡大したものです。
航空写真を見るに、再開発事業の対象エリアは駐車場やアパートなどが大半を占めているのが見て取れます。
詳しくは、記事後半の現地レポートで見ていきたいと思います。
さて、新横浜駅篠原口の再開発事業を巡る動向を次の表にまとめました。
今回の再開発事業(新横浜駅篠原口エリアでは1990年代にも再開発の機運が高まった時期がありました)は、2015年頃から少しずつ動き始めたとのことです。
具体的な形になってきたのは、2018年3月の「新横浜南口駅前地区市街地再開発準備組合」の設立ですね。
新横浜新聞の記事(2019年4月22日)によると、約40人の地権者のうち過半数がまちづくりの方向性に賛同したことから、再開発事業を進める動きにつながったようです。
その後、再開発準備組合は2019年3月に事業協力者として、日鉄興和不動産と東急による共同企業体(JV)を採択しました。
新横浜新聞の記事(2019年4月22日)によると、東急は「篠原口のまちづくりに対する意欲が非常に強かった」(再開発準備組合関係者)という点も選定理由の一つだったとのことです。
ちなみに日鉄興和不動産は、相鉄東急直通線開業後の隣駅となる羽沢横浜国大駅でタワーマンション「リビオタワー羽沢横浜国大」を開発していますね。
タウンニュース港北区版の記事(2019年4月25日)によると、最終的に4者が提案書を提出し、二度の審査を経て採択に至ったとのことでした。
その後は目立った動きがなく、具体的な話は何も浮上していないのが現状となっています。
再開発準備組合の公式HPによると、「現在は横浜市、コンサルタント、事業協力者の支援を得ながら検討を進めている最中」とのことでした。
また、タウンニュース港北区版の記事(2019年4月25日)では、「22年には相鉄・東急直通線が開通の予定。同じタイミングでの本組合移行をめざし、協力を求めていく」(金子清隆理事長)との記述がみられました。
ただ、2022年9月現在、再開発組合はまだ準備組合のままとなっており、進捗がみられません。
タウンニュース港北区版の記事(2019年4月25日)では、約3年前の情報ではあるものの、再開発事業の計画について次のように記載しています。
新横浜駅篠原口の再開発事業では、駅前広場、遊水池、駐輪場、スーパー、保育園などの建設が予定されているとの記載がありました。
また、約3.5haの対象エリアは商業・業務棟、分譲住宅、公共施設の3つに分けられるという記述も見られます。
この計画が嘘と言うことではありませんが、準備組合が記者に対して計画案の一つを話したものとみられ、今後本格的に再開発事業の計画が進む中では大きく形が変わることも想定されますね。
2022年7月21日、再開発準備組合は羽沢横浜国大駅で建設中のタワーマンション「リビオタワー羽沢横浜国大」のモデルルームの見学会を実施しました。
再開発準備組合の公式HPによると、再開発で整備されるマンションのイメージ(間取りや仕様、設備等)を確認することを目的として見学会を開催したようです。
この様子から見るに、新横浜駅篠原口の再開発事業では分譲マンションを整備する方向とみられます。
新横浜駅篠原口の再開発事業に関する情報として、他には財界ONLINEの記事(2022年4月26日)が挙げられます。
東京都世田谷区の二子玉川エリアを引き合いに出し、そのノウハウを新横浜駅篠原口の再開発事業でも生かせるとの記述がありました。
「前出の幹部」とあるのは、東急株式会社の幹部を指しています。
東急では二子玉川エリアの再開発を手掛けた実績があり、そのノウハウを新横浜駅篠原口の再開発事業でも生かせるとの見込みがあるようです。
直近の情報では、東洋経済ONLINEの記事(2022年8月29日)において、新横浜駅篠原口の再開発事業が言及されていました。
東急株式会社のプロジェクト開発部に所属する関口氏は、「まちづくりの方向性やスケジュールなど具体的なことは何も決まっていない」と発言したようです。
これは、2022年8月19日に開催された「相鉄・東急直通線フォーラム」(地域インターネット新聞社など主催)での講演の発言とみられます。
この情報が最新となっており、東急の担当者曰く、現時点では新横浜駅篠原口の再開発事業は何も具体的に決まっていないということでした。
ここまでのまとめは次の通りです。
・2018年、再開発準備組合が発足
・2019年、事業協力者として日鉄興和不動産と東急のJVが選定された
・それ以降、水面下での調整が行われているかもしれないが、再開発事業が表立って前進している様子はみられない
・2022年8月、東急の再開発担当者の発言では「まちづくりの方向性やスケジュールなど具体的なことは何も決まっていない」とあり、再開発事業の実現はまだ時間がかかるとみられる
対象エリアの現在の様子は?(2022年8月)
ここからは、再開発事業の対象エリアが現在どうなっているか、現地の様子を写真で見ていきたいと思います。
撮影場所も地図で明記しますので、現地を訪問した感覚でご覧ください!
なお、写真の撮影日はいずれも2022年8月30日です。
①
新横浜駅篠原口の2階から撮影した写真です。
ここに映っているほぼ全てが再開発事業の対象エリアとなっています。
駅前にも関わらず商業施設のようなものは一切なく、駐輪場とロータリーが幅を利かせていますね
写真右手に映っている5階建てのガラス張りのビルは、加祥ビルと言うオフィスビルですね。
再開発事業の対象エリアで高さのある建物は、この加祥ビルぐらいではないでしょうか。
この長閑な雰囲気が××年後には大化けするかと思うと、今からワクワクしますね~。
篠原口を出て正面には、再開発事業を知らせる看板が設置されていました。
看板の設置主体は「新横浜駅南口駅前地区市街地再開発準備組合」です。
まだ具体的な計画は決まっていないとみられますが、このイラストから見るに、駅前は広い通路と広場、ロータリーが確保されるイメージがあるようですね。
②
新横浜駅篠原口の駅前を横方向から撮影した写真です。
写真中央に見えるのが東海道新幹線の高架ですね。
その線路を挟んで反対側には中高層建築物がいくつも建っているのが見て取れます。
また、写真右手に見える白い建物が新横浜駅篠原口の駅舎です。
③
新横浜駅篠原口から1~2分歩いた場所では、大規模なコインパーキングが運営されていました。
駅至近の好立地で平置き駐車場と言うのは勿体ない気もしますね。
ただ、新幹線利用者などが多い新横浜駅では、駅近のコインパーキングに強いニーズがあるようです。
また、このコインパーキングが接する道路は道幅が狭いのですが、車の交通量も歩行者数も多いため、かなり危険な状況となっています。
カーブがいくつかあるにも関わらず、車は結構なスピードで往来しているため、いつ事故が起きてもおかしくないと思っています。
こうしたインフラ整備の観点からも、篠原口の再開発事業には期待が集まりますね。
④
対象エリアの南端にやってきました。
道路を挟んで写真右側が対象エリア、左側はエリア外となっています。
対象エリア内には2階建てのアパートが映っていますね。
低層アパートが非常に多いエリアで、築年数も新しいものから古いものまで混在している状況です。
⑤
こちらも再開発事業の対象エリアの境界ですね。
道路を挟んで右側が対象エリア、左側が対象外です。
写真中央には2階建ての一戸建てが映っています。
また、写真右手には築浅の賃貸住宅がありますよね。
再開発事業の計画が進めば、これらの建物の住民も立ち退きを迫られると思うのですが、合意形成はうまくいくのでしょうか・・・?
⑥
再開発事業の対象エリアの西端になります。
写真左手は東海道新幹線の高架ですね。
高架のそばに狭い通路があり、この通路を真っすぐ進むと新横浜駅篠原口に着きます。
少しごちゃごちゃしている印象がありますね。
おわりに:今後の動向に注目したいですね
新横浜駅篠原口では、今回の再開発事業の前にも1990年代に再開発の機運が高まった時期がありました。
その時の対象エリアは、なんと東京ドーム約8個分の約37万㎡だったそうです。
ただ、地権者の反対が根強く、2003年に計画が撤回されたようです。
そこから約20年の時を経て、再び再開発事業の機運が高まってきました。
今回こそ新横浜駅篠原口が大きく変化するチャンスですよね!
タワーマンションや大型商業施設など勝手な期待が膨らむばかりですが、現時点ではまだ何も決まっていないようです。
今後の動向に注目していきたいですね。
新横浜駅篠原口の再開発事業について情報をお持ちの方や何かお気づきの点がある方、当記事の感想など是非コメントをお待ちしております。
最後までご覧いただきありがとうございました!
主な参考文献:
新横浜・篠原口駅前、南口再開発の準備組合が「東急電鉄」などを協力者に選定(新横浜新聞)
首都圏の7社14路線を1本でつなぐ 東急電鉄の沿線活性化策(財界ONLINE)
コメント
コメント一覧 (2件)
新横浜の篠原口の開発ずーっと楽しみにしてますがなかなか動きが見えないですね。
公式のHPが開設されたのは嬉しいですが、まだまだ先は長そう…
今は地方出張族の新幹線の駅としてビジネスマン利用が多い街で飲食店や横浜アリーナ、日産スタジアムの為の駅としてというイメージですがもう少し地元民、近郊のファミリーが集まるような街になったら嬉しいですね!
武蔵小杉のグランツリー的な商業施設が出来てほしい!
相鉄東急直通線の開通まで半年を切って多少話題が増えてきて嬉しいこの頃です!
かとうさん、コメントありがとうございます。
公式HPが開設されたのは大きな一歩だと思いますが、それでもまだまだ道のりは長いですよね・・・
仰るように、今の新横浜は地元民が生活するには不便な部分もありそうです。
グランツリーのような商業施設が一つできるだけで全然違うと思うので、篠原口の開発で実現してほしいですよね!
新横浜駅で再開発が進めば、羽沢横浜国大駅周辺に住む方々もわずか1駅数分の距離なので恩恵を受けられそうです。
いよいよあと半年ですね~!
ここからどんどん盛り上がっていくのかと思うと、楽しみで仕方ないです!