※2022年3月時点の情報となります。ご了承ください。
ヨコハマの街・再開発ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、横浜市泉区のゆめが丘駅/下飯田駅周辺の再開発事業についてお送りします。
本記事では、まずゆめが丘駅/下飯田駅周辺の再開発事業について概要を整理し、そして3月中旬に現地を訪問したので開発状況をレポートしたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください!
↓ゆめが丘ソラトス、2024年夏開業へ!テナントは?建設状況は?下飯田駅/ゆめが丘駅周辺の再開発事業を現地レポート【2023年9月】
ゆめが丘駅/下飯田駅とは?
ゆめが丘駅は相鉄いずみ野線の駅で、横浜市泉区に位置しています。
一日平均乗降人数は2020年が1,741人、2019年が2,208人となっており、これは相鉄線の中で最も少ない人数です。
隣駅は、湘南台駅(神奈川県藤沢市)といずみ中央駅(横浜市泉区)です。
なお、ゆめが丘駅の駅舎はアーチ状の鉄骨が印象的で、関東の駅百選にも選ばれています。
続いて、下飯田駅は横浜市営地下鉄ブルーラインの駅で、ゆめが丘駅と同様に横浜市泉区に位置しています。
隣駅は、湘南台駅と立場駅(横浜市泉区)です。
一日平均乗降人数は2020年が5,046人、2019年6,570人となっており、ゆめが丘駅の3倍程度の利用者がいます。
下飯田駅の南側は住宅地で、通勤や通学で利用する住民が多いとみられます。
ゆめが丘駅と下飯田駅は直線距離で250mほどの距離感であり、ちなみにゆめが丘駅の仮称は”下飯田駅”でした。
両駅とも開業が1999年と比較的歴史が浅く、開業以降も駅周辺の開発が進まない状態が続いていました。
ゆめが丘駅と下飯田駅に挟まれているエリアについても、戸建て住宅が点在する他は農地が大半となっており、高い利便性を生かしきれない状況でした。
↓再開発以前のゆめが丘駅/下飯田駅周辺(航空写真)
ゆめが丘駅/下飯田駅周辺の再開発事業の概要
ゆめが丘駅/下飯田駅周辺で行われている再開発事業の正式名称は、泉ゆめが丘地区土地区画整理事業です。
施行者は、組合員169人からなる泉ゆめが丘地区土地区画整理組合となっています。
再開発の対象地域となる範囲は、以下の通りです。
Google Mapsの航空写真と見比べてみると、
既に区画整理が進んでいるようで、再開発の対象エリアが更地になっている様子がうかがえます。
また、道路もある程度整備されつつあるようですね。
再開発以前の本エリアは、基本的には農地や戸建て住宅、駐車場が中心となっていました。
施行面積は約23.9haで、およそ東京ドーム5個分の広さです。
羽沢横浜国大駅の再開発であるHAZAWA VALLEYは約1.6ha、川和町駅の再開発が約7.3haなので、ゆめが丘エリアの再開発が大規模であることがわかるかと思います。
この図は、区域区分の変更を表しています。
再開発エリアはこれまで全面が市街化調整区域でしたが、再開発の実施に伴い市街化区域への編入が行われました。
市街化区域に編入された再開発エリアは、全て第一種低層専用住居地域に指定されました。
建ぺい率が50%、容積率が80%ということで、第一種低層専用住居地域の中でも厳しめな指定となっています。
また、高度地区についても高さ10m+北側斜線制限の第一種高度地区に指定されています。
再開発エリアは、用途別に「センター地区」「複合利用地区」「沿道サービス地区」「住宅地区」の4種類に分けられています。
この再開発の目玉は、なんと言ってもセンター地区の大規模集客施設(=商業施設)でしょう!
センター地区の開発事業者となった相鉄アーバンクリエイツによると(2020年9月17日)、大規模集客施設は地上3階建てで、建築面積が約32,000㎡、延床面積が約118,000㎡となっています。
また、相鉄の中期経営計画によると(2021年11月25日)、テナント数は約170店舗を予定しており、開業時期は2024年春としています。
2018年4月に開業した二俣川駅のジョイナステラス二俣川は、テナント数が約100店舗となっているため、ゆめが丘エリアの大規模集客施設はそれ以上の規模になることが見込まれます。
【大規模集客施設の完成イメージ】
具体的なテナントについて公式には言及されていませんが、タウンニュースの2020年9月24日号によると、専門店や近隣の農産物を扱う食品マルシェ、地域最大級となる屋上遊具公園、そしてシネマコンプレックス(複合映画館)の計画があるとのことです。
三世代のファミリー層がターゲットで、商圏は相鉄沿線以外も含むということで、普段使いのスーパーやドラッグストアに留まらないバリエーション豊富なテナントが期待されますね!
また、センター地区や複合利用地区、沿道サービス地区では集合住宅の建設も計画されています。
【複合利用地区の完成イメージ】
相鉄の中期経営計画によると、分譲・賃貸マンションそれぞれを計画しており、分譲マンションは2023~2026年度に400戸程度の供給を計画しているとのことです。
1戸あたり4人と計算すると1,600人となり、これはゆめが丘駅の一日平均乗降人数(2020年:1,741人)に匹敵する規模感ですね。
なお、沿道サービス地区、住宅地区の完成イメージはそれぞれ次の通りです。
さらに、4種類のエリアの他にも、街のインフラとして再開発エリア内に4つの公園が新設されるほか、ゆめが丘駅前にはバスの停車スペースが、下飯田駅前にはバスやタクシーが乗り入れできる駅前広場が整備される計画となっています。
30年以上前から続く再開発事業の経緯とは?
再開発事業が開始したのは2014年8月と比較的最近ですが、ゆめが丘エリアの開発については以前から活発に議論が行われてきました。
現在までの流れを表にまとめてみましたが、なんと30年以上も前から開発構想があるということが見て取れます。
ゆめが丘エリアで開発が行われる流れとしては、
1986年、戸塚区から泉区が分区される
↓
泉区の交通インフラ整備のため鉄道網を拡充:ゆめが丘駅、下飯田駅の新設
↓
横浜市が「鉄道網の拡充に合わせて駅前の開発を実施した方が良いのではないか」と提案
ということらしいです。
当初から横浜市は前向きな姿勢が伺えるので、再開発にここまで時間がかかったのは地権者の反対などがあったのでしょうか?
1999年にゆめが丘駅と下飯田駅がそれぞれ開業しても、しばらくは開発構想の検討が進んでいなかったようで、ようやく動きがあったのは2007年の「泉ゆめが丘土地区画整理組合設立準備会」発足ですね。
そこから「市街化区域への編入」まで約7年かかり、実際に大規模集客施設やマンションが完成するのは更に約7年かかる計画です。
再開発事業を見るとき、新しくできる施設やマンションにどうしても目が行ってしまいますが、過去の取り組みを知ることで再開発事業を点ではなく線で把握でき、結果として街づくりを見る面白さを何倍も増幅できると思っています!
ゆめが丘駅/下飯田駅周辺の現地レポート
それでは、ここからは現地の写真を交えながら開発状況を見ていきたいと思います。
撮影場所をそれぞれ地図で明示して紹介するので、ぜひ現地に行った感覚でお楽しみください!
①下飯田駅からゆめが丘駅方向(北西側)に撮影した写真です。
大規模集客施設やマンションの建設予定地ですが現状は更地となっています。
ゆめが丘駅の駅舎が写真右手に映っています。
②こちらも下飯田駅からゆめが丘駅方向(北東側)に撮影した写真です。
再開発以前の航空写真を見ると、10戸程度の住宅があったエリアですが、立ち退きが進み4~5戸程度が残る状況となっていました。
これらの住宅の住民は、現在も居住中のようでした。
③再開発で新設された道路の写真です。
下飯田駅からゆめが丘駅方向(北側)に撮影しています。
歩道は現在も整備中でしたが、車道は開通しており下飯田駅とゆめが丘駅を結ぶ道路の一つとなっています。
写真右手に映っているオレンジ色の囲いは、下飯田駅に併設されている駐輪場です。
④新設の開発道路からセンター地区方向(東側)に撮影した写真です。
工事用の車両が何台かあり、現地訪問した際も造成作業が行われていました。
大規模に作業しているという感じではなく、少人数で限定的に作業している様子でした。
⑤ゆめが丘駅から下飯田駅方向(南側)に撮影した写真です。
相鉄線の高架下になりますが、ここに新設の道路が開通する計画となっています。
環状4号線と市道長後82号線を結ぶ役割とみられます。
車の場合、この道路を通って下飯田駅の駅前広場を利用することになります。
⑥下飯田駅から南方向に撮影した写真です。
このエリアは既に区画整理が完了しており、立派な戸建て住宅が何軒も建っていました。
また、建築途中の住宅も何軒かありました。
センター地区となっているエリアに住居を構えていた方がこちらに移り住んでいるのでしょうか?
写真右手の建物はクリニックビルのようで、皮フ科や薬局が入居していました。
⑦ゆめが丘駅から北側に撮影した写真です。
写真の下半分に映っているのは、新設される道路ですね。
その奥にある更地が今後マンションや小売店舗などになる予定の土地です。
⑧ゆめが丘駅から東方向に撮影した写真です。
道路の舗装が終わっている地点とそうでない地点が混ざっていました。
写真左手に映っている森は再開発エリアの対象外ですね。
ゆめが丘エリアの持つのどかな雰囲気も共存するのが良いですよね。
⑨環状4号線沿いから北側に撮影した写真です。
ここは沿道サービス地区と指定されており、ロードサイド型店舗や店舗併用集合住宅などの建築が予定されています。
写真右手中央に薄っすらローソンの看板が映っているのは見えますでしょうか。
沿道サービス地区では既に店舗の営業が始まっている場所もあり、ローソンは充実した駐車場を具えて営業を開始していました。
写真手前に映っているのは積水ハウス施工の集合住宅とみられます。
1階部分は小売店舗となるのでしょうか。
⑩ゆめが丘駅のホームから下飯田駅方向(南側)に撮影した写真です。
センター地区をざっと眺めることができました。
まだまだ開発途上ですね。
写真右手中央に映っている横長の白い建物が下飯田駅になります。
⑪ゆめが丘駅のホームから北方向に撮影した写真です。
写真中央部分の更地が複合利用地区ですね。
既に区画整理が完了していて、道路も整備されているようです。
その奥が調整池と公園の予定地です。
現地を訪問した際も工事が行われていました。
⑫これは番外編ですが、下飯田駅至近で建売住宅全9棟の分譲が行われるようです。
青丸部分です。ぎりぎり再開発エリアの対象外ですね。
とは言え、下飯田駅からは徒歩1~2分の好立地です。
ゆめが丘駅も徒歩5分圏内でしょう。
土地面積は100㎡から123㎡までで、分譲地の中央に開発道路が新設される計画です。
再開発エリア内は、タウンルールで戸建て住宅の土地面積が最低125㎡~と定められていますから、もし再開発エリア内だったら9戸も建てられなかったですね。
かなりの好立地なので、売り出し価格が気になります!
6,000万円は言い過ぎですかね。5,500万円程度でしょうか?
おわりに:街の雰囲気が一変する大規模再開発に期待!
私が訪問した際には泉区らしいのどかな雰囲気がありましたが、完成イメージを見ると街の雰囲気が大きく変わること間違いなしですね!
大規模集客施設はテナント数170と充実していますから、鉄道や車を利用してゆめが丘エリアを訪れる人が増加することが想定されます。
また、駅周辺には400戸もの分譲マンションや賃貸マンション、戸建て住宅の建築も計画されています。
昼間人口の増加だけでなく、夜間人口の増加も期待できますから、街全体に活気が溢れそうですね。
この開発が平成初期から構想されて令和になってようやく形になるというのが感慨深いですね!
今後もゆめが丘エリアの開発状況をレポートしていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
↓第2弾:最新の開発状況を現地レポート!ゆめが丘駅/下飯田駅周辺の再開発事業(2022年7月17日更新)
↓第3弾:ついに着工!ゆめが丘駅/下飯田駅周辺の再開発事業を現地レポート(2022年12月18日更新)
引用:
コメント
コメント一覧 (2件)
現地レポお疲れ様です!
ゆめが丘が栄えるって夢みたいなことが起きようとしてるんですね。
子供の頃にみたあの焼け野原のような光景は今でも焼き付いています笑
映画館なども出来るとなると、湘南台や長後の住人も呼び込めますし、綾瀬市民もタウンヒルズにいかずこっちに来そうですね!
にしても羽沢横浜国大周辺に用地がないのが悔やまれますね…
交通利便性なら比較すら出来ないレベルで高いはずなのに笑
くらっしーさん、コメントありがとうございます。
私自身はゆめが丘に降りたのが今回初めてだったので特に驚きもなかったのですが、地元の方からすると「あのゆめが丘が!?」という感覚なんですね!
映画館ができるのは広域集客の面で本当に大きいですよね。
綾瀬などもカバーできるとなったらかなり賑わいそうです!
羽沢横浜国大、本当に惜しいです・・・
JR、相鉄、東急と複数路線を使い分けられて、なおかつ都内まで30分ちょっとでアクセスできるというのは他にはない強みですよね!
貨物線が何とかならないかな~と真剣に思っています(笑)