※2024年4月5日最終更新
ヨコハマの街・再開発ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、羽沢池辺線の概要と羽沢横浜国大駅周辺に与える影響について取り扱いたいと思います。
ぜひ最後までお読みください!
羽沢池辺線とは?
まず、羽沢池辺線の概要から簡単に解説していきたいと思います。
羽沢池辺線は都市計画道路(都市計画法に基づいて都市計画決定された道路)の一つで、神奈川区羽沢南二丁目を起点とし、都筑区池辺町を終点とする延長約5,050mの道路のことです。
このうち、羽沢南二丁目の環状2号線から緑区鴨居町の山下長津田線までの延長約3,150mの区間を羽沢・菅田地区と称して、平成4年度から事業を行っています。
続いて、横浜市の公式HPをもとに、羽沢池辺線の事業内容を見ていきます。
事業区間は、神奈川区羽沢二丁目から緑区鴨居町までの延長約3,150mです。
事業年度は平成4年度から令和11年度との記載があります。
事業進捗率は45%ということで半分以上の工程が残っている状況ですが、用地取得率は86%でほぼほぼ用地を取得できているようです。
実際にどこが繋がるのか?
横浜市の公式HPには、羽沢池辺線の全体像を表した地図が載っていました。
この図をもとに、Google mapsを使って羽沢池辺線の始発と終点をマーキングしてみます。
駅名である「羽沢横浜国大駅」と「鴨居駅」を赤色でマークしました。
また、羽沢池辺線の始発と終点は青色で丸くマーキングしています(始発は羽沢エリア、終点は鴨居エリア)。
羽沢池辺線の始発地点は、羽沢横浜国大から徒歩2分程度の位置にあります。
次に、実際の道路がどのように完成する予定なのか、青丸同士をフリーハンドで繋いでいきます。
だいぶ全体像が見えてきました。
羽沢池辺線の周辺は、畑や住宅地が広がっているような地域で、横浜市でも有数ののどかなエリアになっています。
ここに幅員32mの都市計画道路が建設されるということで、地域の様子は大きく変わりそうです。
ちなみに、横浜市神奈川区羽沢町のAGC(旧 旭硝子)中央研究所は羽沢池辺線のすぐ西側に位置していますね。
その中央研究所は、2021年6月に鶴見区の横浜テクニカルセンターに集約移転してしまいましたが・・・
↓羽沢横浜国大駅徒歩圏内のAGC中央研究所が解体中!跡地利用は?
羽沢横浜国大駅近くを通る環状2号線の代表幅員は42mなので、羽沢池辺線はそれよりは狭くなります。
ただ、環状3号線は幅員22m、環状4号線は幅員18mなので、それらと比較すると羽沢池辺線は規模の大きな都市計画道路になりそうです。
そして、羽沢池辺線の始発地点となる羽沢横浜国大駅近くには、次のような接続部が設けられる予定となっています。
環状2号線と羽沢池辺線の接続部が羽沢横浜国大駅徒歩2分程度の位置に作られます。
環状2号線の利用者はこの接続部を使って羽沢池辺線に、逆に羽沢池辺線の利用者はこの接続部を使って環状2号線に行けるようになるわけで、交通の要所のような位置づけになると思われます。
なぜ羽沢池辺線を作る必要があるのか?
羽沢池辺線を作る目的について、横浜市の公式HPに載っています。
一言で表すと、「新横浜周辺と港北ニュータウン/東名青葉インターとのアクセス改善による利便性向上」となります。
こちらは、幹線道路と高速道路が緑色で示されているGoogle Mapsです。
この画像では敢えて羽沢エリアと鴨居エリアを中心にもってきているのですが、これは一目瞭然!
羽沢池辺線が計画されている箇所はちょうど幹線道路の空白地帯なんですよね!
それが次のように羽沢池辺線が開通することによって、空白地帯だったエリアに幹線道路が誕生し、交通利便性が向上する効果が見込まれます。
鴨居エリアで最終的に羽沢池辺線と接続するのは、神奈川県道12号横浜上麻生線の予定です。
この横浜上麻生道路も都市計画道路の一つで、横浜市神奈川区の東神奈川駅前交差点から川崎市麻生区の上麻生交差点を結ぶ道路です。
東名高速の横浜青葉インターチェンジと間接接続しているため、新横浜周辺から羽沢池辺線を使って東名高速までアクセスしやすくなるというわけですね。
羽沢横浜国大駅至近にはJR貨物駅があるので、環状2号線と羽沢池辺線の接続部が設けられることで、羽沢エリアは今後更に物流の要になりそうです!
また羽沢横浜国大駅周辺に住む地域住民にとってみれば、羽沢池辺線のおかげで車交通の利便性が更に向上すると見込まれます。
羽沢池辺線の開通は最短で2030年!
ここからは、「公共事業再評価調書(案)」に基づき、用地取得や工事の状況、今後のスケジュールなどを確認していきます。
昭和62年度(=1987年度)に始まった羽沢池辺線の整備計画は、平成14年度(=2002年度)に羽沢池辺線の工事が完了するというスケジュール感でした。
しかし、事業費の確保が出来なかったことから、平成30年度(=2018年度)に完了時期をずらしました。
それでも羽沢池辺線の工事は進まず令和4年度(=2022年度)へ再延期。
ただ、それでも間に合わず令和11年度(=2029年度)に再々延期する流れとなっています。
昭和に開始した計画が平成、令和と移り変わり、それでもなお羽沢池辺線は開通していないという訳です。
ここまで延期が続くと、令和11年度(=2029年度)完了というのが信じ難いように感じますよね。
ただ、これまでと違い実現性が高いと感じられる情報がありました。
2022年4月、羽沢池辺線は重要物流道路に指定されました。
重要物流道路とは、物流の観点から重要な道路を指します。
物流のさらなる円滑化等を図るため、国土交通大臣が指定した道路のことです。
出所:https://www.mlit.go.jp/road/sisaku/butsuryu/Top03-02-03.htm
重要物流道路の指定が後押しとなり、「公共事業再評価調書(案)」には、今後の対応方針として「計画通り(上記計画を実施)」との記載がなされました。
つまり、羽沢池辺線の計画は中止とならず、令和11年度(=2029年度)の開通に向けて引き続き用地取得や工事を行っていくことが決定しました。
現在の事業進捗率は44%、用地取得率は86%となっています。
下記グラフを見ると、ここ15年ほどは事業進捗率も用地取得率もほぼ横ばいとなっていることがわかりますね。
追記
こちらは、横浜市内の計画道路を紹介するブログを運営しているせきうストーブさんの羽沢池辺線レポート記事です!
ブログの記事でたくさんと写真と資料を交えて詳細に解説しているほか、Youtubeでは羽沢池辺線の動画を公開しています。
ぜひご覧ください!
↓【計画道路】羽沢池辺線 羽沢・菅田地区を巡る
コメント
コメント一覧 (9件)
現地レポートお疲れ様です!
看板が大きく出ているのは通勤時いつも見ていましたが、頓挫した計画なんだろうなぁと思ってました笑
実現してくれたらすごい便利なエリアになりますね!
素朴な疑問なのですが、ひゅうまさんは、
「羽沢南エリアではないが、割りと近場。」
なところに家建てられるのでしょうか?
かなり羽沢への愛を感じるので気になりまして笑
くらっしーさん、コメントありがとうございます!
羽沢池辺線の看板、既に色褪せていてなんだか歴史を感じますよね。工事が本格的に始まると駅周辺は更にごちゃごちゃすると思いますが、利便性の向上は期待大です!
私が土地探しをしていたタイミングで良い土地が出て来ず、羽沢横浜国大周辺での購入は諦めました。。。
羽沢への愛は、ないものねだりかもしれません(笑)
初めまして。計画道路について調査している者です。
今回の記事も楽しく拝見させていただきました。毎回すごくよくまとめられていて凄いです。。
よろしければ自分のブログの方で記事の紹介させて頂きたいのですが、ご回答いただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
コメントありがとうございます。
また本ブログの記事をお読みいただき感謝申し上げます。
せきうストーブさんのブログを拝見しました。
鴨居上飯田線の進捗がずっと気になっていたのでブログ内で現地写真などを交えて紹介されていて楽しく読ませていただきました。今後の更新も楽しみにしています!
また、せきうストーブさんのブログで本記事を紹介いただけるとの旨、大変有り難いお話です。
是非よろしくお願いします。
引き続きどうぞよろしくお願いします。
ご返信、ブログのご感想ありがとうございます。
ではこちらの記事の方、ご紹介させていただきます。
明日にでも更新予定ですので、もし気になる点がございましたらご一報ください!
こちらこそ、どうぞよろしくお願いいたします。
ブログ記事、拝見しました。ご紹介ありがとうございました。
とてもうれしいです!
また、記事はYoutube動画も含め、写真も豊富でしかもわかりやすくて勉強になりました。
いただいた話で恐縮ですが、この記事ともう一つの羽沢池辺線の記事にせきうストーブさんのブログ記事をご紹介させていただけませんか?
ご検討のほどよろしくお願いします。
ご覧いただきありがとうございます! 感想も嬉しいです。
こちらこそ、勉強させていただいております。HAZAWA VALLEYの件などもこちらの記事で初めて知りました。
紹介のお話ありがとうございます! 是非使っていただければと思います!
よろしくお願いいたします。
>せきうストーブさん
HAZAWA VALLEY、今後の進捗がとても楽しみですよね!
掲載のご快諾ありがとうございます。
早速記事の下部に記載させていただきました。
問題点等ございましたらご教示ください。
今後ともよろしくお願いします!
掲載記事の方、確認いたしました!
丁寧にご紹介いただきありがとうございます!
こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします