※2024年6月20日最終更新
ヨコハマの街・再開発ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、神奈川区羽沢町のAGC中央研究所(旭硝子)跡地について取り上げたいと思います!
この記事では、AGC中央研究所の概要を整理するとともに、跡地の開発動向について現時点で明らかになっていることを整理していきます。
本件に関して情報をお持ちの方がいらっしゃったら、ぜひページ下部のコメント欄に一言コメントいただけると嬉しいです!
AGC中央研究所とは?
AGC中央研究所は、横浜市神奈川区羽沢町1150に位置するAGC株式会社の研究開発拠点でした。
AGCの旧商号は旭硝子で、2018年7月に旭硝子からAGCに名称を変更しています。
旭硝子の方がなじみがあるという方も多いのではないでしょうか。
最寄り駅は羽沢横浜国大駅ですが、駅の開業が2019年11月と最近で、また駅とAGC中央研究所は約1.4kmの距離があるため、基本的にはバス便が中心だったようです。
以前は、AGC中央研究所の付近に「旭硝子前」や「旭硝子入口」というバス停がありました。
AGC中央研究所が閉鎖、なぜ?
羽沢町にあるAGC中央研究所は1965年に開設されたということで、なんと50年以上前から稼働していたようです。
この中央研究所で様々な新素材が開発され、その後検証や商用化を経て市場に製品が出回っていたということで、AGCにとって重要な拠点だったことが見て取れますね。
しかし、2021年6月にAGC中央研究所は閉鎖してしまいました。
プレスリリースによると、AGCの研究開発拠点である中央研究所と京浜工場(横浜市鶴見区)を統合し、京浜工場の場所にAGC横浜テクニカルセンターを設置したということです。
背景としては、素材開発のスピードを加速させるために分散していた研究開発拠点を統合させること、「社内外にシームレス&融合・反応・協創の場」をコンセプトとしたオープンイノベーションの拠点を設けること、などがあったようです。
2022年1月から解体工事がスタート
上述の通り2021年6月に移転統合したため、AGC中央研究所は解体されることとなりました。
こちらは、2022年6月にAGC中央研究所の正門を撮影した写真です。
正門付近には、”羽沢中央研究所 解体工事”という看板が設置されていました。
大和ハウスグループの株式会社フジタが解体を担当したようです。
アスベスト(石綿)関連の掲示物によると、解体工事の実施期間は2022年1月6日~2022年12月28日となっていました。
解体工事の完了後、2023年には「羽沢環境対策工事」なるものが進められました。
2023年6月に撮影した掲示物からの情報によると、この工事は2023年11月30日まで行われたようです。
2024年6月時点の現地の様子は?
工事が終了したはずのAGC中央研究所跡地ですが、2024年6月に訪問すると正門入口にはいくつかの掲示物が貼られていました。
「羽沢土間基礎解体工事および環境対策工事その2」と記載されていますね。
土間基礎工事と土壌汚染対策工事が同時並行で行われているようです。
期間は2025年3月31日までとなっています。
2023年11月でいったんは工事が終わったものの、2024年に入り再度工事が進められていることが明らかになりました。
AGC中央研究所の跡地は何になる?
建通新聞社は2023年12月19日、横浜市とAGCが跡地利活用に向けたまちづくりの協議を開始すると報じました。
山中竹春横浜市長は「立地特性を踏まえ、計画的な土地利用を誘導する」と発言しています。
また、AGCは詳細は非公表としつつも「横浜市とも協議しながら検討を進める」と言及しているようです。
明らかになっている情報は以上となります。
横浜市とAGCが協議しながらまちづくりを検討するということで、地域の実情を踏まえた上で適切な跡地利活用が行われることが期待できそうです(個人の感想です)。
また、既に跡地利活用が決まっているかと思いきや、2023年12月時点で「これから本格検討する」という状況であることがわかりました。
周辺では羽沢池辺線の建設事業が進行中で、開通予定は2030年度との情報が出ています。
AGC中央研究所跡地についても、周辺の道路環境の悪さが課題となっていますし、2030年というのが一つのポイントになるかもしれないと思いました。
さて、ここでAGC中央研究所跡地の用途地域について確認しておきたいと思います。
AGC中央研究所は全て黄色エリアということで、第一種住居地域になります。
ちなみに緑色は第一種低層専用住居地域、紫の斜線は市街化調整区域です。
第一種住居地域は、住居としての環境を保護する地域です。
ただ、土地利用の用途という観点で第一種低層専用住居地域や中高層住居専用地域などと比べると、建物のバリエーションがある用途地域と言えそうです。
具体的には以下の建物が建築可能で、建物面積は3,000㎡までといった制限はありますが、比較的大きな商業施設も建設可能です。
一方、次の建物は第一種住居地域で建築することができません。
このような制限がある中で、AGC中央研究所の跡地はどのように活用されるのかということが焦点となってきますね。
おわりに
AGC中央研究所跡地について、2024年6月時点の最新情報を確認してきました。
まだ具体的に何が建設されるのか明らかになっていませんが、横浜市とAGCがまちづくりに向けて本格検討を開始したと言うことがわかりました。
2025年3月31日まで工事が続くということで、ここ1年は大きな動きはないかもしれませんが、何か最新情報が手に入りましたら当ブログにて情報展開していきたいと思います。
もし何かご存じの情報がありましたらコメント欄にお寄せいただけると嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
コメント
コメント一覧 (2件)
AGC近くの調整区域に20年ほど前に畑を購入しました。当時は車で港北区篠原町から通っていたのですが、数年前から免許は返納し敬老パス利用のバスです。最も困るのはトイレです。以前はAGC入り口のトイレをお借りしていたのですが数年前より無くなってしまったので急いで作業をし終えて83系統相鉄バスで市民病院まで我慢をしています。上菅田東部公園のトイレはお借りできないとのこと。また、羽沢幼稚園前のバス停辺りにも水道管が通っているので設置できないとのこと。できましたら生きているうちにAGCの敷地であった場所に公園やトイレを設置していただけましたら有り難いです。本日も薩摩芋の苗植えをしてきましたがトイレが心配でした。畑はもっと手入れをしなくてはいけないのですが、トイレを考えると思うように作業ができません。どうか1日でも早く設置していただく事を願っています。
池田さん、コメントありがとうございます。
AGC近くの畑で農作業をされていらっしゃるのですね。
お話を伺い、AGCが地域のインフラのような役割も果たしていたことに気付かされました。
AGC跡地の土地活用について、現在AGCと横浜市が協議を始めているようですので、地域に開かれたものになることを願いたいですね。
また、現時点でAGC跡地の土地活用の方向性が決まっていないため、何かしら形になるのは少なくとも5年先以上になりそうな気がします。。
例えばAGC跡地の周辺にはセブンイレブンやクリエイト薬局などがありますので、トイレをお借りするというのも手ではないかと思いました。
しばらくは不便な状況が続くと思いますが、お身体ご自愛ください!