※2022年3月時点の情報となります。ご了承ください。
ヨコハマの街・再開発ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、横浜市港北区の新綱島駅周辺の再開発事業についてお送りします。
29階建てのタワーマンション「ドレッセタワー新綱島」や、シニア向けレジデンス「グランクレール綱島」などが計画されており、話題性の高い再開発ですよね!
本記事では、新綱島駅周辺の再開発事業について概要を整理するとともに、2022年3月下旬に現地を訪問したので開発状況をレポートしたいと思います。
↓新綱島駅周辺の再開発事業を現地レポート|ドレッセタワー新綱島が29階に到達(2023年5月15日更新)
新綱島駅とは?
新綱島駅は東急新横浜線の駅で、横浜市港北区に位置しています。
2023年3月に開業予定で、東急東横線の綱島駅から東南方向に約100mの位置に設置されます。
新綱島駅の隣駅は、新横浜駅(横浜市港北区)と日吉駅(同)になります。
新横浜駅では相鉄新横浜線と直通運転を実施するため、新綱島駅から直通(乗り換えなし)で相鉄線の駅(西谷駅、二俣川駅など)を利用できるようになります。
また、新綱島駅から一駅先の日吉駅で東急目黒線と直通運転を実施するため、新綱島駅から上り方面では大岡山駅や目黒駅などに乗り換えなしでアクセスできるようになります。
さらに、目黒駅以降は東京メトロ南北線や都営三田線と直通運転を行うと発表されているため、新綱島駅から乗り換えなしで四ツ谷駅(南北線)や飯田橋駅(同)、大手町駅(三田線)、神保町駅(同)など都心各駅にアクセスできるとみられます。
新綱島駅は交通利便性が高い駅になるとみられ、開業が期待されている駅です。
ちなみに、新綱島駅という名称は一般市民の投票結果をもとに決定しました。
2位の綱島温泉駅も綱島エリアの歴史を感じさせ、個人的には味わい深くて良いなと思ったのですが、仮称でも使われていた”新綱島”がそのまま1位で採用されることになりました。
新綱島駅の再開発事業の概要
新綱島駅周辺で行われている再開発事業の正式名称は、新綱島駅周辺地区土地区画整理事業です。
施行者は横浜市です。
この新綱島駅周辺地区土地区画整理事業では新綱島駅周辺の幹線道路の整備など、新綱島エリア全体のインフラ整備を行っています。
「じゃあ、かなり話題になっている新綱島駅直結のドレッセタワー新綱島は?」というと、これは上記事業とは別に新綱島駅前地区市街地再開発組合が施行者となり、新綱島駅前地区第一種市街地再開発事業という名称で事業を進めています。
この図がとてもわかりやすいと思うのですが、赤枠で大きく囲われた範囲が横浜市施行の新綱島駅周辺地区土地区画整理事業で、塗りつぶし赤の範囲がタワマンなどの新綱島駅前地区第一種市街地再開発事業となります。
ここで、新綱島駅の再開発で新たに作られるモノを一度整理したいと思います。
①~④は道路の整備、⑧は広場の整備ということで、これらは都市インフラにかかわる事業となっています。
横浜市のHPに「綱島駅東口周辺地区では、都市計画道路等が未整備であるため、慢性的な交通渋滞を招いており、土地の有効活用が図られていない現状もあります。また、バスやタクシーなどの交通基盤、歩行者環境の改善が求められています。」とあるように、新綱島駅/綱島駅周辺は道路が狭く、交通渋滞が常態化している現状があります。
また、バス路線の本数に対して環境が整備されていない側面もあり、綱島駅はいつも混雑している印象です。
今回の新綱島エリアの再開発では、都市計画道路の整備やバス乗降場の新設などを通じて、こういった課題を解決するものとみられます。
⑤、⑥、⑦、⑨は低層~高層建築物の計画となっています。
既に公表されているのは⑤新綱島駅前地区第一種市街地再開発事業(ドレッセタワー新綱島)と⑥グランクレール綱島で、それぞれ話題性の高い事業ですね。
⑦と⑨は未公表となっており(2022年3月現在)、大まかな街づくりの方針のみ示されている状況です。
本記事では、⑤と⑥について深堀りしたいと思います。
新綱島駅前地区第一種市街地再開発事業(ドレッセタワー新綱島など)の開発概要
この再開発事業の完成イメージは、次の通りです。
この再開発事業は、低層棟(North棟)と高層棟(South棟)の2つから構成されます。
低層棟と高層棟は2階部分まで共通の建築物となり、3階以降が分かれる計画となっています。
低層棟は7階建て、高層棟は29階建てです。
上記画像に記載のある通り、どちらの建物も地下で新綱島駅と直結しているというのが最大の特徴です。
雨に濡れずに、改札を出てそのままマンション住居部分や商業施設、区民文化センターにアクセスすることができます。
低層階については、1~3階までが商業施設、4~5階が港北区区民文化センターの計画です。
区民文化センターは横浜市内の区ごとに設けられている文化施設で、現在は市内10か所にあります。
港北区はこれまで区民文化センターがなかったので、今回の再開発事業で初めて設置される待望の文化施設ですね。
絵画などの展覧会を行えるギャラリー、音楽発表会やリハーサルにも使える音楽ルーム、コンサートや演劇、ダンスなどが開催可能な約400人収容のホールなどが設けられる予定とのことです。
高層棟については、1階がエントランスと商業施設、2階がラウンジと自転車置き場、そして商業施設、3階がゲストルームでそれ以降がマンションの住居部分となっています。
タワーマンションは、ドレッセタワー新綱島という名称で既に販売が始まっています。
総戸数は252戸で、うち非分譲住戸が73戸あります。
商業施設のテナントについては、現段階で情報が公表されていません。
竣工予定は2023年10月、ドレッセタワー新綱島の入居開始は2024年1月というスケジュールとなっています。
グランクレール綱島の開発概要
グランクレール綱島は、再開発エリアの⑥部分に建設されます。
そもそもグランクレールというのは、東急不動産HDグループのサービス付き高齢者向け住宅です。
2021年4月時点で、21住宅・約1,930室を提供しています。
今回、新綱島の再開発エリアに開業することになったのは、東急東横線エリア初のグランクレール綱島です。
12階建ての建物の4~12階部分に計104室設けられる予定です。
2023年秋の入居予定となっています。
1~3階部分は生活利便施設としてテナントが入居するようです。
また、2階部分は区民文化センターが入居する低層棟とデッキで接続する計画となっています。
つまり、ドレッセタワー新綱島からデッキを経由することで、雨に濡れずにグランクレール綱島の生活利便施設(1~3階)までアクセスできるということですね!
グランクレール綱島の利用料金について調べてみましたが、まだ公表されていないようです。
代わりに、グランクレールあざみ野の利用者募集を見つけたので紹介したいと思います。
今回見つけた募集は、45.69㎡の1Rです。
料金の支払い方法は、①前払方式と②月払方式の2種類があるようです。
①前払方式だと、入居時費用として4,320万円がかかるそうです!
加えて、月々の支払いは17万円必要となっています。
想像以上の高級物件でした。。。
②月払方式だと、入居時費用は控えめで敷金の90万円のみです。
ただ、月々の支払いは47万円です。。。
これをマンションの家賃に例えると、とんでもなく良いマンションに住めそうですね。
グランクレールあざみ野は、あざみ野駅から徒歩12分の距離にあります。
それでこの金額ですから、グランクレール綱島の利用料金はもっと高額になることが想定されます。
駅直結で商業施設も気軽に行ける立地というのはシニア向けレジデンスにおいても強みだと思います。
新綱島周辺の現地レポート
それでは、ここからは現地の写真を交えながら開発状況を見ていきたいと思います。
撮影場所をそれぞれ地図で明示して紹介するので、ぜひ現地に行った感覚でお楽しみください!
A.東京丸子横浜線(綱島街道)から北方向(日吉方面)に撮影した写真です。
道路の拡幅工事が進んでいました。
この東京丸子横浜線(綱島街道)は、幅員20mに整備される計画となっています。
また、電柱に掲示されていた工事概要を見ると、2022年6月30日まで工事を行うようです。
電線類の地中化も進めているということで、景観が良くなりそうですね。
B.東京丸子横浜線(綱島街道)から南方向(大倉山方面)に撮影した写真です。
先ほどの写真とは逆方向を撮影しました。
この写真の奥は、鶴見川を渡る大綱橋方面になります。
現状だと、写真右手の歩道はかなり狭くなっています。
写真左手が新綱島エリアの再開発事業になるので、そちら側を拡幅しているとみられます。
C.再開発エリアの北端から南方向に撮影した写真です。
工事の事務所が設けられていました。
現状はほぼ更地の状態ですね。
地図中の⑨にあたるこのエリアは、まだ何が建築されるのか明らかになっていません。
進捗状況をみても、ドレッセタワー新綱島やグランクレール綱島の開業後に整備される形でしょうか。
D.再開発エリアの東端から西方向に撮影した写真です。
再開発エリアの対象ですが、現在は駐車場として利用されていました。
写真右手に映っている平屋も再開発の対象だと思うのですが、立ち退きは完了していないようでした。
開発の順番としては、この辺り一帯は遅いのかもしれないですね。
E.再開発エリアの対象外となっている池谷桃園を西方向から撮影した写真です。
池谷桃園は、池谷家が明治30年代から桃栽培を続けている桃園です。
現在では綱島で唯一の桃農家となっており、夏ごろには桃園近くで桃の直売会が行われています。
ここ一帯は再開発エリア至近でありながら、開発の対象外となっています。
この資料の緑色部分が池谷桃園ですが、「地域・歴史的資源の保全、活用」との記載があります。
すぐ真裏では29階建てのタワーマンションが建つ計画となっているわけですが、歴史ある桃園を後世まで残すという意図で、再開発エリアの対象外となったのでしょうか。
F.綱島日吉線(再開発エリアの南端)から北側に撮影した写真です。
こちらも再開発エリアの対象外となっている池谷桃園です。
写真左手に映っている標識の通り、この場所は生産緑地地区に指定されているようです。
ちなみに、写真右手に映っている白い建物が桃の直売所になるとみられます。
G.綱島日吉線(再開発エリアの南端)から北側に撮影した写真です。
再開発の目玉であるドレッセタワー新綱島の建設現場です。
これはまさに高さ29階の高層棟の建築ですね!
既に高さが出てきているのが見て取れます。
写真左手に映っている高層建築物は、再開発エリアの対象外となっているリビオ綱島ですね。
緑でマークしたちょうど窪んでいるところがリビオ綱島です。
⑤はドレッセタワー新綱島の区画なので、この区画が整形地ではなく歪になっているのはリビオ綱島の影響ですね。
H.東京丸子横浜線(綱島街道)から東方向に撮影した写真です。
ドレッセタワー新綱島の看板が大きく掲示されていました。
建築計画の看板もありました。
着工は2020年10月、完了予定は2023年12月末となっています。
また、こういった面白いコンテンツも用意されていました。
過去と現在の綱島を写真で見比べるという企画ですね。
面影のある写真もあれば、全く別景色になっている写真もあり面白かったです。
I.東京丸子横浜線(綱島街道)から東方向に撮影した写真です。
グランクレール綱島の建築現場になります。
ドレッセタワー新綱島と同じくらいの進捗状況でしょうか。
この高さまで来たら、これから先はどんどん高さが出てきそうですね。
グランクレール綱島の看板が掲示されていました。
また、建築計画のお知らせもありました。
名称は「(仮称)新水ビル新築工事」ということで、1980年代初頭までは温泉旅館「新水」として、その後は2018年4月まで「新水パーキングセンター」として利用されてきた場所です。
オーナーは変わらず新水のままということでしょう。
最後におまけで、鶴見川から見たドレッセタワー新綱島の建築状況です。
少し遠くからでも形が見えるようになってきましたね。
ちなみに写真手前で工事しているのは、下水道管の切り回しだそうです。
再開発エリアの対象外ではありますが、再開発に関係していそうですね。
おわりに:綱島の再開発はこれで終わらない?
新綱島駅周辺の再開発は対象面積が約2.7haということで、そこまで規模が大きな再開発ではありません。
横浜市内で進められている再開発と比較すると、羽沢横浜国大駅前の再開発であるHAZAWA VALLEYは約1.6ha、川和町駅の再開発が約7.3ha、ゆめが丘駅の再開発が約23.9haとなっており、小規模な部類に入るでしょう。
ただ、新駅となる新綱島駅の開業に合わせて再開発計画が始まったということや、ドレッセタワー新綱島のインパクトの大きさなどから、とても注目度が高い再開発ではないかと思います。
2024年頃には概ね開発が落ち着くでしょうから、街の全貌が明らかになるまであと2年弱となります。
ごちゃごちゃしていて常に混雑している印象の強かった綱島ですが(個人的見解です)、どのように変化するのか完成が待ち遠しいです。
そして、綱島エリアの再開発はこれで終わらないというのが更に面白いところです。
綱島駅の東側、新綱島駅の西側という2駅に挟まれたエリアでも再開発の計画が浮上しています。
まだまだ変わり続ける綱島エリア、ますます目が離せないですね。
綱島駅東口前地区市街地再開発事業については、後日記事化したいと思っていますので是非楽しみにお待ちいただけると幸いです。
記事をご覧になった感想や追加情報などありましたら、お気軽にコメントいただけると嬉しいです!
それでは、最後までお読みいただきありがとうございました。
引用:
コメント
コメント一覧 (2件)
更新お疲れ様です❗️
綱島の開発もどんどん増えて来ましたね!
昔は割りとごちゃっとした印象でしたが、最近は日吉とならんで横浜市内の高級住宅街のブランディング化が進んだ気がします!
新横浜線で新横浜一駅になるのは、出張にいくビジネスマンやファミリーの旅行需要も高まりそうですし、羽沢よりワンランク(ツーランク?)上のパワー世帯に需要が有りそうですね!
シニア向けマンションも、
恐ろしい値段…これは元々都民で、老後は落ち着いた住環境を得るために来るみたいな、かなりハイレベルなご老人が越してこられそうですね笑
くらっしーさん、コメントありがとうございます。
再開発が進むと、昔とは全く異なる綱島の顔が出来そうですよね!
ドレッセタワーだけでなく周辺の中古マンションも高くなってきていると聞きますし、新線開通によって更に人気が高まりそうです。
ハザコクが新横浜1駅と言うことにばかり注目していましたが、新綱島も同様に新横浜1駅ですもんね!
こんなに天井がない世界だとは知らなかったので本当に驚きです。。。
若いときにどれだけ徳を積んだら入居できるのでしょうか(苦笑)
足腰が丈夫で元気なシニアにとって新綱島は抜群の環境ですよね。