※2023年9月15日最終更新
ヨコハマの街・再開発ブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、横浜市瀬谷区の旧上瀬谷通信施設跡地の再開発事業について見ていきたいと思います!

旧上瀬谷通信施設は1951年から長らく米軍に接収されていた土地ですが、2015年6月に約242haが返還され、今後の土地利用に大きな注目が集まっています。
「テーマパークができるって本当?」「瀬谷駅から新交通システムが整備される?」「海軍道路の桜並木はどうなるの?」など様々な話が持ち上がっていますよね。
この記事では、旧上瀬谷通信施設の再開発事業の概要を整理するとともに、再開発事業にまだ着手していない現地の様子をたくさんの写真とともにお伝えしていきます。
旧上瀬谷通信施設の現状がどうなっているのか興味のある方は、ぜひ続きもご覧ください!
↓旧上瀬谷通信施設にテーマパーク誕生?再開発事業の概要を整理(2023年2月更新)

※2023年9月14日に横浜市公式HPが最新情報を更新しました!
テーマパーク構想の開発主体が三菱地所に内定し、2031年頃の開業を目指すとのことです!
横浜市公式HP⇒ 旧上瀬谷通信施設地区「観光・賑わい地区」の事業予定者を決定しました!

旧上瀬谷通信施設の再開発事業とは?
旧上瀬谷通信施設は、横浜市の瀬谷区と旭区にまたがって立地しています。
横浜市の中でもかなり西側に位置しており、大和市や町田市とも隣接していますね。

上瀬谷通信施設の再開発事業の全体像は、下記地図のようになっています!

約242haもの対象エリアを「農業振興地区」「観光・賑わい地区」「物流地区」「公園・防災地区」の4つに分けて開発する計画です。

また、関連事業として周辺道路の整備やインターチェンジの設置、新たな交通システムの検討などが一体となって行われます。

ここからは、旧上瀬谷通信施設の再開発事業に関する疑問をQ&A形式で整理したいと思います。
Q1.旧上瀬谷通信施設にテーマパークができるって本当?
将来的にテーマパークが開発される可能性は十分にあります。
2023年2月24日、横浜市はテーマパークの開発事業者を公募し始めました。
募集要項には「テーマパーク」や「集客施設」との文言が何度も出ており、横浜市はテーマパークの誘致を真剣に計画しているとみられます。
ただ、今後の状況次第(事業者が集まらないなど)では計画の見直しが行われる可能性もあります。
出典:旧上瀬谷通信施設「観光・賑わい地区」の事業者を公募します!

Q2.瀬谷駅から新交通システムが整備される?
現状では何とも言えません。
2027年3月開催予定の花博に向け、新交通システムの検討が精力的に進められていましたが、2021年10月に横浜シーサイドラインが横浜市の打診に対して「現時点で、参画するという判断はできない」との回答を行い、花博に向けた新交通システムの実現は断念されました。
花博では、瀬谷駅・三ツ境駅・十日市場駅・南町田グランベリーパーク駅の3社線4駅からの「シャトルバス運行」で進める予定です。
一方、旧上瀬谷通信施設の再開発事業としては、2023年2月に横浜市が策定した「デザインノート」にて「瀬⾕駅を起点とした定時性、安定性が確保できる新たな交通の導⼊に向けた検討を進めています。」と言及しており、今後も瀬谷駅からの新交通システムに関する検討が行われていくものとみられます。
出典:横浜「上瀬谷ライン」結局どうなった 不採算は自明?
旧上瀬谷通信施設土地利用基本計画デザインノートについて

Q3.海軍道路の桜並木はどうなるの?
一度撤去されるものの、桜並木が再生される計画です。
旧上瀬谷通信施設の再開発事業により、現在の海軍道路の大半が幅員18mから幅員31mへと拡幅される予定です。
それに伴い、現在の桜並木は撤去されますが、海軍道路が拡幅された後に桜並木が再生される計画(新たな桜の名所づくりに向けた基本計画、2022年10月)が定められています。
また、旧上瀬谷通信施設の再開発事業の一つである「公園・防災地区」では、サクラ広場の整備が計画されています。
出典:旧上瀬⾕通信施設地区 新たな桜の名所づくりに向けた基本計画(案)

Q4.花博は本当に旧上瀬谷通信施設でやるの?
国際条約に基づく国際博覧会として認定され、旧上瀬谷通信施設で花博が行われることが決定しています。
2022年11月28日、フランス・パリで第171回BIE(博覧会国際事務職)総会が開催され、「2027年交際園芸博覧会」(通称:花博)が国際条約に基づく国際博覧会として認定されました。
その後、2023年1月には公益社団法人2027年国際園芸博覧会協会が「2027年国際園芸博覧会基本計画」を策定し、花博の実現に向けた具体的な計画を打ち出しています。
出典:2027年国際園芸博覧会が、国際条約に基づく国際博覧会(最上位A1の国際園芸博覧会)として認定されました
「2027年国際園芸博覧会基本計画」を策定しました!

https://expo2027yokohama.or.jp/wp-content/uploads/2023/01/press_20230110.pdf
旧上瀬谷通信施設の跡地を現地レポート
2023年1月と4月に旧上瀬谷通信通信施設の跡地を見てきたので、現地レポートをお送りします。
まだ再開発事業に着手していない旧上瀬谷通信施設の現状はどうなっているのでしょうか?
撮影した位置情報も併せて記載していますので、ぜひ現地に行った感覚でお楽しみください。
①


公園・防災地区を撮影しました。
少し手入れはされているのかな?とは思いますが、草木が生い茂っていました。
見通す限り構造物がなく、開放感のある空間となっています。

既に公表されている旧上瀬谷通信施設公園基本計画を見ると、撮影した場所は将来的に日本庭園や体験農園などが整備される計画となっています。

先ほど撮影した写真の近くには、野焼きを警告する立て看板がありました。
こういう看板を見ると、在日米軍の管轄内だった歴史を強く感じますね。

ちなみに道路を挟んで反対側には、神奈川県営細谷戸ハイツがずらっと立ち並んでいました。
②


こちらも公園・防災地区を撮影しましたが、先ほどの場所とは様子が異なっていました。

立て看板を見ると、埋蔵文化財の発掘調査を行っているようでした。
再開発事業に着手する前に、文化財が埋蔵されていないか確認しているのだと思われます。


2023年4月に再訪した際も工事が続いているようで、立て看板の日付が「令和6年3月31日(予定)まで」に延長されていました。
埋蔵文化財の発掘調査により様々な事業が遅延した例を聞いたことがあるので、少々不安ではありますね。。
③


桜並木が有名な海軍道路を撮影しました。
再開発事業の一環で、現在の幅員18mから幅員31mへと拡幅される予定です。
それに伴い、現在の桜並木は撤去されますが、海軍道路が拡幅された後に桜並木が再生される計画(新たな桜の名所づくりに向けた基本計画、2022年10月)が定められています。

④


観光・賑わい地区を撮影しました。
アスファルトに舗装された一本道がありましたが、フェンスで閉鎖されていました。
この写真に映っている一帯がテーマパーク(仮)の建設予定地となります。
今の姿からは想像がつかないですね。。。

最短で2030年代前半に開業予定となっているので、あと10年ちょっとで風景が一変するのでしょうね。
⑤


農業振興地区を撮影しました。
真っすぐな農道があり、その両脇には農地が広がっていました。
農業振興地区は再開発事業の計画であまり触れられておらず、どのような取り組みが行われるのか不透明な状況にあります。
ただ、農地が全くなくなるということは考えづらいため、この景色はある程度維持されるのではないかと思います。

ちなみに道路を挟んで反対側には、横浜市立上瀬谷小学校があります。
その先には住宅街が広がっており、航空写真で見てみると境目が明確でとても面白いです。
おわりに
今回は、旧上瀬谷通信施設の再開発事業の概要に触れつつ、現地の状況を写真と共にお伝えしました。
これまで長い間米軍の管轄内にあったことから、かなりまとまった面積がほぼ手付かずの状態となっています。
このあたりは横浜市内では珍しい高低差のないエリアで、さらに開発がほぼ行われていないことから、どこからでも見通しが良いというのが一番の感想でした。
今後開発が進む中で”見通しの良い空間”は失われてしまいますが、テーマパークや公園の整備はワクワクする部分が大きいですよね。
公園の完成は2040年代、テーマパークは2030年代前半とまだまだ先ではありますが、街が大きく変化するこの再開発事業がとても楽しみです。
旧上瀬谷通信施設跡地の再開発事業に関する追加情報や、この記事を読んだ感想など、コメント欄にお寄せいただけると嬉しいです!
最後までお読みいただきありがとうございました!
引用:
旧上瀬谷通信施設地区トップページ(横浜市)
(仮称)旧上瀬谷通信施設公園トップページ(横浜市)
『旧上瀬谷通信施設土地利用基本計画』(2020年3月、横浜市)
『旧上瀬谷通信施設土地利用基本計画デザインノート』(2023年2月、横浜市)
『(仮称)旧上瀬谷通信施設公園基本計画(案)』(2022年6月、横浜市)
コメント
コメント一覧 (6件)
記事お疲れ様です。いつも楽しく拝読しています。
上瀬谷の再開発について反対の声も多い中、私はどちらかというと賛成です。特に沿海部ばかりではなく、横浜西部の再開発ということで意義が大きいと思います。
ただ、瀬谷駅起点の盲腸線路は、、利便性今一だと思います。。
個人的には、東急さんにお願いしてすずかけ台から延伸してもらうか、中山駅からグリーンラインを延伸し、ズーラシア〜上瀬谷〜免許センター〜二俣川のルートで横浜環状鉄道の一部として整備したほうがよいかと思います。
特に後者の場合、乗換利便性は勿論、採算性も問題ないと思いますし、停滞している環状鉄道の整備も早期実現出来き、一石二鳥だと思いますけどね。
佐々木さん、コメントありがとうございます。
上瀬谷の再開発は意見が分かれていますよね。仰るように横浜西部の再開発は少なく、この再開発事業で地域経済が活性化しそうだという期待感があります。
瀬谷駅起点の新交通システムも賛否が分かれるところですよね。
すずかけ台からの延伸もグリーンラインからの延伸も、上瀬谷に留まらない全体的な利便性向上に貢献しそうですね。
この事業はまだ確定しているわけではないので、引き続き今後の動向を注視していきたいです。
横浜市営地下鉄レッドライン開業するらしい。瀬谷〜新百合ヶ丘間
横浜市営地下鉄は新百合ヶ丘〜瀬谷間開業する。
遂に発表されましたね
ttps://news.yahoo.co.jp/articles/34d8a3c90477722f091a32962e02d7fa7f9499b2
佐々木さん、コメントありがとうございます!
ついに発表されましたか!
三菱地所が開発主体というのは期待できそうですね。